サトウ

映画とか音楽を主に。

2 橋本奈々未さん

音楽とか映画のことを綴って行こうと言っているのにいきなり全く関係ないことを書かせてもらいます。しかもアイドル。私は大学1年生から3年生になったはじめぐらいまで恥ずかしながら"アイドルオタク"を拗らせていました。とは言っても興味があったのは「乃木坂46」というグループのみです。私がそのグループを好きになったきっかけがこの橋本奈々未さんです。そんな彼女が2017年2月20日、自身の誕生日にライブを行いそれを最後に芸能界を引退するという衝撃的なことが起こりました。私は悲しくてやりきれなかったので当時の気分を文章にしていました。良かったらお付き合いください。

 

 

橋本奈々未

〈出会い〉
ある土日の昼、部活から帰って来た私は何も考えずwowwow にチャンネルを合わせた。運良くnbaの番組がやっていたので見て見ることにした。どうやら今回はnba好きの芸能人とアナウンサーが対談する企画のようだ。ゲストが現れた。「乃木坂46 橋本奈々未」とテロップに表示されている。私に衝撃が走った。ショートカットで大人っぽい雰囲気。私のタイプそのままであった。「なんだこの人。めちゃくちゃ可愛い、、」彼女に一撃でゾッコンになった。番組を見ていると彼女は好きな選手について聞かれていた。それに対して彼女は言った。「ロイヒバートが好きですね。」と。理由は女の子にモテなさそうだからだそう。確かに。彼女のユーモアさが垣間見えた瞬間だった。その後彼女のことをどんどんと調べて行くうちに、彼女が属する「乃木坂46」に興味を持つようになった。

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乃木坂46との出会い〉
今までの私であったら、「アイドルなんてダサい」としか思っていなかったが、このグループには何か他のグループとは違ういい意味か悪い意味かはわからないが、「アイドルらしくなさ」があった。すぐに泣く子や積極的になれない子などとおとなしいイメージがあった。私が苦手なキャピキャピした感じが見られず、好印象であった。また、私の性格と似ている子が多いなと思ったのも好きになった理由の一つだ。なれない芸能界という中で、緊張しながらも精一杯活動している彼女たちにはいつも元気をもらえた。乃木坂46というグループは奇跡だと思う。その理由として、属しているメンバー殆どが「マジで可愛い」からだ。1人ぐらいブスがいてもおかしくはないのにいないのだ。2つ目に清楚で控えめな子が多く、見ていて応援したくなる要素であふれているから。弱々しくも日々奮闘する彼女たちには同時に勇気ももらっていた。そんな美少女の集団ではあるが私のいわゆる推しメンと呼ばれる人はもちろん橋本奈々未さんだ。この世で一番可愛いと思う。最初は当然のように容姿が全てだった。

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橋本奈々未、卒業、芸能界引退発表〉
そんな橋本奈々未さんが年末にグループの脱退、そして芸能界からの引退を発表した。私は状況が飲み込めず、数日間抜け殻のような生活をしていた。「なんで今?やめる必要は?」何がなんだがさっぱりわからなかった。これまで色々なメンバーが卒業を発表して来たがショックの大きさが断然大きかった。ただただ受け入れられない現実に押しつぶされそうな日々が続いた。「たかがアイドルの卒業だろ」という人もいたが私にとってはされどアイドルの卒業なのだ。ましてやそれが橋本奈々未さんだ。卒業はこの発表から4ヶ月後、彼女の誕生日でもある、2/20日。この日が永遠に来て欲しくなかった。だが、「光陰矢の如し」という言葉のようにかけがえのない時間というものは無情にもすぐに過ぎ去る。2/20という日が来てしまった。その晩、乃木坂46が務める「乃木坂工事中」に久しぶりに橋本奈々未さんが出演していた。このところ全くtvに出ていなかったので動く彼女を久々に見ることができた。いつも通り、クールで落ち着いているが、どこか感覚がずれている彼女。この放送が一生続けばいいのに。そんなことも思っていた。

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〈2/20 卒業コンサート
卒業ライブはその日の夜18:00からスタート。抽選でチケットが当たらなかった私は最終手段を使い、大金をはたいてライブ行きを決定させた。もしこの事実を橋本奈々未さんが知ったらきっと喜ばしいことではないだろう。これは立派な転売なのだから。しかし彼女の最後を何としても目に焼き付けたかった。だから後悔はしていない。私は大阪からさいたまスーパーアリーナまで急いで向かった。その時の感情は口では言い表せないほど複雑なものだった。会場に入ると今まで見たことのない多くのお客さんでいっぱいだった。会場は開始早々から緑色で埋め尽くされていた。彼女のイメージカラーだ。乃木坂ファンの心は一つだったと思う。「彼女を精一杯送り出そう」その一心だったに違いない。影ナレは衛藤、白石、松村という橋本奈々未と同じ、92年組が担当を務めた。ライブが始まる。彼女が最初で最後のセンターを務める「サヨナラの意味」がスタートした。ステージ上で踊る彼女を見られる最後のライブが始まってしまった。もう戻ることはできない。ここまで来たらライブを全力で楽しむしかなかった。

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〈それでも御三家は永遠だから〉
3曲目、白石がセンターを務める「ガールズルール」。いつも通り最高に盛り上がる楽曲であった。「ライブを楽しんでいる」と心から思わせてくれ、少し「橋本奈々未の卒業ライブ」という事実から目を背けることができた。しかし7曲目、「偶然を言い訳にして」。この曲は松村、白石、橋本、高山で構成されるユニット曲だ。曲中、白石が耐えきれられず涙を流した。さっきまでガールズルールで私たちを楽しませてくれた彼女。彼女にとって橋本奈々未の卒業というものは私たちファンより長く一緒に入るため、相当重かったのだろう。私も目頭が熱くなった。ステージ上4箇所にばらけるメンバーたち。橋本奈々未には内緒でサプライズのメッセージを持っていた。お互いにメッセージを見て笑顔をこぼす。とても温かい雰囲気に会場が包まれた。このユニットにも入るが、松村、橋本、白石は御三家と呼ばれ、仲がいいグループとして知られている。この御三家がユニットとなって歌う曲はこのほかにもいくつもあった。しかしこの御三家も今日で最後。代わりとなるメンバーなんていない。最後の最後。そう思うと白石、松村の涙の意味を少し理解できたかなと思う。しかし橋本奈々未が乃木坂からいなくなったとしても、"それでも、御三家は永遠だから"。

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橋本奈々未伊藤万理華
ライブはどんどんと過ぎていく。ライブ中盤、私の好きなメンバーでもある伊藤万理華のmcが始まった。「選抜は私の数が少なかったし、一緒のユニットで歌うこともなかった。」「でも好きって言ってくれたから。」そのmc後の最終曲で「生まれたままで」が流れる。この曲は何を隠そう、橋本奈々未乃木坂46の楽曲の中で一番好きだという曲である。この曲だけは本来のセンターである伊藤万理華に加え、橋本奈々未も入り、ダブルセンターで行われた。私の好きなメンバー2人が2人の思い出の曲を最後の最後に歌った。今思って見るとそれを見れたという幸せは計り知れたものではない。"生まれたままで ずっと自由に 生きられたらいいな"、橋本奈々未の卒業とかかっている気がして涙が出そうになった。そしてサプライズはこれだけでは終わらない。このライブが行われた2/20、橋本奈々未とともに伊藤万理華の誕生日でもあった。伊藤万理華は「橋本奈々未卒業コンサート」というコンサートにもかかわらず、橋本奈々未から誕生日を祝われるというサプライズを受けていた。橋本奈々未から直接イチゴを食べさせてもらうことになり、伊藤万理華が一言こぼす。「いいだろぉ〜。」会場がどよめいた。そんな反応とは裏腹に、私の心の中は好きなメンバー同士の絡みが見られるのはこれでさいごか、という寂しい気持ちでいっぱいになっていた。イチゴを食べさせてもらった伊藤万理華は満面の笑みを浮かべていた。しかし心の中から笑っていたのだろうか。同じ誕生日ということもありこれまで4回、一緒に誕生日を祝われて来た2人。その関係性も無くなってしまうわけだ。他のメンバーとは違った感情が伊藤万理華にはあったはずだ。彼女も私と同じ気持ちだったのではないか。一人の人間との別れというものは相当辛いものなのだと改めて感じた。

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橋本奈々未白石麻衣
この2人は乃木坂中でもお姉さん的存在で仲良しである。この2人が歌うユニット曲がある。「孤独兄弟」だ。この曲を始める前に、メンバーの齋藤飛鳥からアナウンスがあった。「橋本奈々未白石麻衣。仲がいい2人。私はこの2人が仲良くしているのを見ているのが好きだった。」その言葉からは2人に対する尊敬の意味も感じた。また、単純にファンと同じような目線で言ったのかもしれない。この齋藤飛鳥のmcが私たちファン目線であったため、意味のあるmcだったと思う。そして激しい音とともに2人が現れた。しかし白石の表情が暗い。挙げ句の果てには、大粒の涙を流していた。それでも必死に歌う彼女がいた。「最後の孤独兄弟ぐらいやりきりたい」、そんな気持ちが伝わって来た。手を取り合って曲を最後までやりきった。乃木坂を支え、お姉さんの立場として引っ張って来たと言っても過言ではない2人。今日でその片方がいなくなる。今までの苦労や楽しかった思い出をフラッシュバックさせると涙を流さずにはいられない。

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〈「私が一番"ないものねだり"してるなぁって」〉
そしてライブも終盤へ。このコンサート、そして彼女の芸能生活の締めくくりにふさわしい曲"ないものねだり"が始まった。泣かないと決めていたらしい彼女が涙を流し始めた。彼女に限らず、女性の涙というものは卑怯なぐらい感情移入をさせる。それが尚更私が世界で一番好きであった女性であったため、当然のごとく私も涙した。

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この文章はライブ終了後に渋谷の某カプセルホテル内で書いたものなのですが、今見返してみると相当気持ち悪いですね。4000字も書いてあってサブイボたちました。しかしそれだけ熱中していたということなんでしょう。思い返してみると彼女の追っかけをしていた時間は決して悪い時間ではなかった気がします。人生に必要なことをたくさん教えてくれた橋本奈々未さん。あ〜今なにしてんのかなぁ〜