サトウ

映画とか音楽を主に。

6 チェスターベニントン

本日7/21、人気バンド、「linkin park」のヴォーカル、チェスターベニントン氏が亡くなった。享年41歳だった。死因は自殺とみられているらしい。
私とlinkin parkの出会いは中学生の時だった。私の一番仲の良い友人が何やら最近洋楽にハマっていると話をしてきた。どうせカッコつけて意味もわからず聞いているだけだろ、と思っていたが、彼がすごい熱で私にオススメをしてくるので、彼に教えてもらった、linkin parkの代表曲、「faint」を自宅に帰って聞いて見ることにした。洋楽を今まで聞いたこともなかった私にとって期待は全くなかった。しかし動画を再生して見ると鳴り響く高音や図太いドラムのスネアの音色、djのスクラッチ音、そして何より力強いチェスターのシャウトに体が震えた。「かっこいい、、」言葉が出ずにただただ興奮した。何をいっているか全くわからなかったが、力強い演奏と歌声に感動を覚えた。「音楽って歌詞だけじゃないんだ」そう思えたのも彼らのおかげだ。それからというもの、休み時間になるとトイレに、連れ四人ぐらいと駆け込み、用を足しながら「リンキンのあの曲、やばいよね」とか「リンキンの新譜、聞いた?」などと話す時間ができた。その時間は今でも鮮明に覚えているぐらいかけがえのない時間であった。またlinkin parkのおかげで友人も増えた。今まであまり会話したことがなかったクラスメートとも、linkin parkの魅力を語り合ううちに友人関係になれたりもした。彼らを知っている、彼らのことを好きでいるというだけで「お前らリンキンしらんの?勿体無いね」と心の中で優越感に浸れるぐらいだった。それほどのまでに私にとってヒーローだった。また、高校時代、憂鬱な授業前だとか、部活の前の緊張などを彼らの歌で自分を鼓舞し、吹き飛ばしていた。特に部活の試合前に親の送りの車の中でリンキンを聞いていたあの頃の感情や車から見える景色は絶対に忘れないだろう。クソみたいな私の日常を彩ってくれたのだ。
そんなヒーローが死んだ。私はこの報告を朝ベットの上でスマホを開き、snsで知ったのだが、夢だと思っていた。「今きっと俺は夢を見ているんだ。」そう思いながら二度寝をした。そして再び目を覚まし、まさかと思ってスマホを開けると現実だということに気づいた。何度目を凝らしても、やはり死んだのはlinkin parkのヴォーカル、チェスターだった。受け入れられない現実にただただ困惑した。詳しく調べて見ると彼は重度の鬱病だったらしい。きっとそれはcdの売れ行きだとか自分の私生活の乱れからくるものだったのだろう。
人間死んだら終わりだ。もう何もできない。つまりもうチェスターの力強い歌声を聴くこともできない。いつの日か街ですれ違った女性が「リンキン日本来るじゃん!めっちゃ嬉しい!」といっていた。彼女は今どんな気持ちなんだろう。もちろん彼も曲を作ることも、声を出すこともできない。どれだけ辛いことはあったが知らないが、「死」だけは選んで欲しくなかった。
しかし彼を責めるようなことは言いたくない。人生の選択をするのは自由だからだ。しかし悲しむ人が彼の場合には多すぎるということを知っておいて欲しかった。もしかしたら知った上でそのような行為に至ったのかもしれない。
皮肉にも、人の死というものは人を動かす動機になる。今回の彼の死を通して私もほんの一部の方へ伝わればいいから、何か生きた証として残る作品を残して死にたいと思った。
最後に大好きなチェスターへ。素敵な歌を私に届けてくれてありがとう。あなたにはたくさんの友達、勇気、興奮、感動を届けてもらいました。リスペクトと感謝を込めて、rest in peace.安らかに。